定番品にはワケがある!なぜ主婦はステンレス包丁を選ぶのか

定番品にはワケがある!なぜ主婦はステンレス包丁を選ぶのか

新しい包丁が欲しいけど、何を買えばいいのか分からない……という時。
「取り急ぎ、百貨店やホームセンターでステンレス包丁を買えば間違いなし♪」というあなたは、まさに主婦の鑑です! 
なぜなら、広く流通するものには、それなりの理由があるからです。

ステンレス包丁は今ではプロの料理人にも世界的に愛用されている超便利な包丁です。
でも、「ステンレス包丁の何がいいの?」ということまで考えたことのある方、実はそう多くないかもしれませんね。

主婦がなぜステンレス包丁を選ぶのか。ひいてはステンレス包丁がなぜここまで広く支持されているのか。
気になる理由を徹底解剖します!

ステンレス包丁の利便性


ステンレス包丁の一番の利点は、やはり“錆びない”ということ。これに尽きると言ってもいいでしょう。今ではステンレス包丁が一般的に広まり、むしろ“錆びる包丁に出会ったことがない”という方もいらっしゃるかもしれませんね。それくらい、ステンレス包丁は一般のご家庭に広く普及しています。

ですが、包丁も金属である以上、本来は錆びとは決して無縁ではありません。もちろんステンレスも「絶対に錆びない金属」というわけではなく、厳密に言うと「錆びにくい金属」ということになります。

というのも、ステンレスとは言ってもこれも鉄の一種。鉄に10.5%以上のクロム(硬く耐食性のある金属)を配合したものをステンレスと呼びます。

包丁とは本来、扱いが難しいもの

普段からステンレス包丁を愛用している方が、実際にいわゆる鋼(はがね)の包丁を使ったなら、最初はその扱いにくさに驚くかもしれません。時には、切っているそばから包丁に錆が浮いてくることもあるからです。レンコンなどアクの強い野菜や、脂の乗った魚なんかをさばいている時は特にそうです。また、塩やお酢にも気をつけなければなりません。

私達は「ステンレス」という恩恵にあやかって、この「錆を防ぐための努力と工夫」をせずに済んでいますが、包丁というのは本来扱いや管理、メンテナンスが難しいものなのです。

「錆びにくい」というのは、実はとても大きな利点なんですよ!

ステンレス包丁の弱点


包丁にはそれぞれ個性があり、長所があれば短所もあります。もちろんそれはステンレス包丁も同じ。メリットばかりではありません。ステンレス包丁のデメリット(弱点)についても知っておきましょう。

鋼の包丁よりも切れ味が劣る

最近では鋼に勝るとも劣らないステンレスが開発され、時にはその切れ味に驚かされることもあります。が、そういう包丁はまだまだ最先端といった印象で、お値段もそれなりに張るもの。一般的に普及しているステンレス包丁の切れ味は、やはりそういった最先端のステンレスや鋼にはどうしても見劣りしてしまいます。「錆びにくい」という強力な利点を得るための代償と割り切るしかありません。あるいは家計に余裕があるのなら、「切れるステンレス」に視野を広げるのもいいでしょう。

研ぎにくい

ホームセンターなどでよく見かける、レンガ色(アルミナ質)の砥石で研ごうと思っても、ステンレス包丁にはなかなか刃がつきません。やがては砥石ばかり減っていき、気が滅入ってしまいます。つまり、メンテナンスが難しいのです。

この問題を解決するには、レンガ色の砥石よりも研磨力の高いセラミック砥石を使うのがオススメです。また、ステンレスで鋼をサンドイッチした割り込み包丁ですと研ぎやすいですよ。

錆びないからといって油断は禁物

ステンレスもまったく錆びないというわけではありません。鋼と同じく塩や酢、レモンなど酸性のものや塩分の強いものなどを切ってそのまま放置しておくと、やがて錆びが浮いてきます(鋼に比べるとずいぶんと遅いですが)。また、アルミや鉄などの異種金属と接触させると電蝕を起こし腐食(錆び)の原因になる場合があるので気をつけましょう。

今もなお進化中! ステンレスの系譜


日本の刃物の歴史は古く、また、食文化や日本人の体格、風土などによって刃物文化は独自に発展してきました。包丁のルーツが日本刀にあるのは想像に難くありませんが、実は奈良時代の包丁が日本最古とされており、現存するものが奈良の正倉院にて保管されています。

ステンレスの登場

人類史の中でステンレスが注目され始めたのは1800年代後期から1900年代初期にかけて。日本でステンレスの製造技術が確立したのはもう少し後の昭和後期のことです。

かつてのステンレス包丁と現代のステンレス包丁、その品質と機能性には雲泥の差があります。昔の包丁は、ステンレスであっても錆びることが珍しくありませんでした。
この頃は製造技術が未熟だったということもあり、当時のステンレス包丁は「切れない包丁」の代名詞でもありました。しかしそれから目覚ましい勢いで技術が発達し、クロムやニッケルといった成分の含有量が調整されたさまざまな合金が生まれたのです。

進化するステンレス

このままいけば将来、鋼とステンレスの境界性はなくなるかもしれません。つまり、技術の発達に伴い「刃持ちがよく切れ味バツグンで錆びない包丁」というのが実現する可能性があるということ。既に限りなくそれに近いステンレス包丁も開発されているから驚きです。

これがステンレス包丁を選ぶ決め手!


主婦がステンレス包丁を選ぶ理由。そして、ステンレス包丁がこれだけ広く普及している理由。聡明な方なら既にお気付きかもしれませんね。その答えは「錆びにくいから」なのです。

今では錆びにくい包丁なんて当たり前かもしれません。とすると、次に目がいくのはステンレス包丁の種類の多さとデザイン性でしょう。近年はダマスカス鋼など見た目にインパクトのある包丁も珍しくなくなってきました。

ステンレス包丁を選ぶ楽しみがあるのも、そもそもは「錆びにくい」という前提があってのこと。

機能性ばかりでなく、デザインも幅広く楽しめる柔軟性と懐の深さが、ステンレス包丁の本当の魅力なのかもしれませんね。

最後に

ステンレスも実は鉄の一種であること、意外と知らない方は多かったのではないでしょうか。ステンレスを含む合金鋼も鋼(はがね)も、もともとは鉄です。これらを明確に区別する基準となるのが、含有成分の量の違い。

いずれにしても、今後はさらにバラエティ豊かな包丁が登場してきそうですね。ステンレス技術の発達にはおおいに期待したいところです。

また、今は規格が統一されて金属加工技術も進化しました。
どれを選ぶか迷ったら、デザインの好みでステンレス包丁を選ぶのもおすすめです。どうせなら楽しくお料理をして、楽しく召し上がっていただきたいですもんね^^

「包丁の選び方」に関するコラム一覧
【第1回】ステンレス包丁と鋼の包丁、どっちを買うのが正解?
【第2回】定番品にはワケがある!なぜ主婦はステンレス包丁を選ぶのか

【第3回】こだわりにはワケがある!プロが鋼の包丁を選ぶ理由とは

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MTWアキ

MTWアキ

料理愛好家/ライター/クリエイター/作家
「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?