その使い方で大丈夫?包丁の研ぎ方と切れ味を持続させる秘訣

その使い方で大丈夫?包丁の研ぎ方と切れ味を持続させる秘訣

近年、有機野菜など食材にこだわったり、包丁や器にこだわったりする方が増えているといいます。SNSなどでも料理関係の様々なハッシュタグを見かけることが増え、人々の料理への関心が高まっていることを感じるようになりました。

さて、今回はその中でも料理の基本中の基本である「包丁」に注目して、包丁メンテナンスに役立つアイテムをいくつかご紹介します。包丁を上手にメンテナンスして、さらなるお料理上手を目指しましょう!

包丁メンテナンスは料理の基本

料理をするにあたって、包丁はもっとも基礎的な道具です。古くは奈良時代には既に包丁に相当するものが使われていたとか。

今では錆びにくいステンレス包丁が家庭包丁の主流になりましたが、一方で包丁を研ぐという文化が失われつつあります。でも、いくらステンレス包丁とはいえ、やはり時間の経過とともに切れなくなっていくもの。ご自宅の包丁を今一度手にとってみてください。購入して半年もたてば、当時のような切れ味はなくなっていることに気付くはずです。

切れない包丁は危険!

切れない包丁で食材を切ると、食材に優しくないだけでなくケガの危険があります。日常的に料理をする方なら、お肉などを切れない包丁でひきちぎる作業がいかに危険か、直感的に知っているはず。

料理の仕上がりにも影響

また、包丁の切れ味の悪さは、実は料理の味や仕上がりにも影響します。お肉を包丁で引きちぎるように切ると、切断面の細胞がつぶれてしまい、細胞内の水分が外に漏れ出てしまうのです。これはお魚も同じ。同時に旨みも一緒に流れ出てしまい水っぽい味になってしまったり、余計な水分のせいで保存性が悪くなったり……

もちろん、切り口がつぶれているのでは食材も角が立たず、見た目にも美しくありません。実は包丁というのは、料理の仕上がりそのものを左右する重大な要素でもあるのです。

「でも、包丁をどうやって研げばいいのかわからない……」

実はそんな方のために、世の中には便利な道具がたくさんあるんですよ。

包丁の研ぎ方いろいろ~砥石編~

さて、包丁を研ぐための昔ながらの方法といえば「砥石」を使うこと。砥石には番目ごとに、もっとも目の荒い「荒砥(あらど)」、中くらいの目の「中砥(なかど)」、そして一番キメ細い「仕上げ砥(しあげど)」の三種類があります。さらにこれらは、人工的に作られた砥石の「人工砥石」と、天然石などから作られた「天然砥石」の二つに大別されます。

ご家庭での一般的なお手入れには、中砥(なかど)が一つあれば十分だといわれますが、これは鋼の包丁に限っての話。ステンレス包丁というのは実は刃をつけるのが非常に難しく、ご家庭でのメンテナンスが困難な代物なのです。

おすすめの砥石
そんなときに活躍するのが、ダイヤモンド砥石。工業用ダイヤモンドが表面に電着された砥石で、研磨力はピカイチです。セラミック包丁にも対応するほどの研磨力ですから、鋼の包丁はもちろんのこと、一般的なステンレス包丁のメンテナンスにも重宝します。ダイヤモンド砥石一つあれば、鋼の包丁はもちろん、ステンレス包丁、セラミック包丁、すべてをこれ一つでメンテナンスできてしまいますよ。

包丁の研ぎ方いろいろ~シャープナー編~

「砥石はなんだか敷居が高い……」

そう思われる方もいらっしゃるかと思います。

砥石を使うメリットは、かゆいところに手が届くようなメンテナンスを自分で行えるというところ。確かに多少のコツはいりますが、実はそんなに難しいものではありません。ですから、個人的には砥石でのメンテナンスがオススメです。

が、何かと忙しい現代人。お母さんだって、早起きして我が子や旦那様のお弁当を作らなきゃというときに、朝も早くからなかなか砥石で包丁を研ごうという気分にはなれませんよね。

そういうときに活躍するのが、シャープナーです。

切れ味を一時的に復活

シャープナーにも種類はたくさんありますが、いずれも朝の急いでいるときなどに包丁の切れ味を蘇らせるのに効果的です。

ただし、シャープナーの役割はあくまで「一時的な刃付け」。フランス料理やイタリア料理のシェフが厨房で包丁とスチール棒をこすり合わせて調理する姿や、中華料理人が包丁同士の刃をこすり合わせる様子など、誰もがテレビ番組や映画などで一度は目にしたことがあると思います。これの目的は包丁についた脂を落としたり、一時的に刃をつけたりであり、彼らも“研ぎ”を目的にそれを行っているわけではありません。

これらには即座に刃をつけられるという利点があり、まさにシャープナーの役割と同じ。

西欧諸国では一般的に「包丁を自分で手入れする」という日本のような文化はないため(最近は海外でも一般向けに砥石が販売されていますが)、包丁のメンテナンスは鍛冶職人等に外注するのが普通です。

とはいえ、シャープナーにばかり頼っていると次第に刃先は弱っていき、やがては“切れない包丁”になってしまいます。

シャープナーはあくまで即戦力。そう思えば、何かと忙しい現代人の体質にマッチした道具といえるかもしれません。

切れ味を持続させる、包丁の上手な使い方

「できれば包丁のメンテナンスに多くの時間をかけず、楽に手入れがしたい」というのが、多くの方の偽らざる本音ではないでしょうか。メンテナンスした直後ならなおさら、「できるだけこの切れを長持ちさせたい」というのが人情です。

実は、包丁の切れ味を長持ちさせるための秘訣というのが、いくつかあります。

力を入れて切らない

食材を押しつぶすように切ろうとすると、食材に負担がかかるだけでなく包丁にも負担がかかります。金属とはいえ、刃先は実はとてもデリケートなのです。切れる包丁は真下に力を入れる必要はなく、食材に当てた刃を前後にゆっくり動かすだけで十分ですよ。

硬いまな板は使わない

ガラス製などの特殊なまな板はもちろんのこと、樹脂製や木製でも“硬すぎるまな板”は包丁を痛める可能性があります。まな板はできるだけ包丁に優しいものを選びましょう。個人的には抗菌効果や消臭効果に期待できる檜(ひのき)のまな板がオススメです。漂白できるプラスチック製のまな板も衛生的でいいですね。

硬いものは専用の包丁で

氷や冷凍食品、また魚や動物の骨など硬いものは、専用の包丁で切るようにしましょう。ご家庭ですと、冷凍食品を切りたくなることがよくあると思います。そういうときは凍った食品を焦って切ろうとするのではなく、しっかりと解凍してから包丁を入れましょう。もし無理に力んで刃がかけてしまったなら、個人で刃こぼれを修復するのは至難の業。ステンレス包丁であればなおさらです。

水気をしっかり切ってから保管

いくら錆びにくいステンレス包丁とはいえ、決して錆びないというわけではありません。特に刃先は錆びに弱く切れ味にも大きく影響しますから、使用後はしっかりと水気を切ること。

また、水道水の水には鉄錆が含まれています。これが原因で包丁が錆びてしまう場合もありますから、水道水で洗ったからといって油断はできません。最後の乾拭き(乾いた布巾等でしっかり水気を拭き上げること)が何よりも大切ですよ。

最後に

包丁を長く大切に使うためにも、定期的なメンテナンスは心掛けたいところ。もちろん、どうしようもない欠けや反りなどは、メーカー修理に出すしかありませんが、日ごろの刃付けくらいであれば自分でまかないたいですよね。

砥石を使うか、シャープナーを使うか。それぞれのスタイルや事情などに合わせて、器用に使い分けるのが賢いやり方といえるでしょう。

「包丁のお手入れ」に関するコラム一覧
その使い方で大丈夫?包丁の研ぎ方と切れ味を持続させる秘訣
切れないストレス解消!お家で出来る包丁の正しい研ぎ方

The following two tabs change content below.
MTWアキ

MTWアキ

料理愛好家/ライター/クリエイター/作家
「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?