燻製液でアレンジを楽しもう【ソミュール液・ピックル液】

燻製液でアレンジを楽しもう【ソミュール液・ピックル液】

「おうちで自家製ベーコンをつくろう」シリーズ第2回目の今回は、燻製づくりに欠かせないソミュール液とピックル液の作り方を中心にお話しします。

「ソミュール液とピックル液の違いって何?」と思っている方もいらっしゃるはず。ささいな疑問にもお応えしますよ!

「おうちで自家製ベーコンをつくろう!」について
市販のベーコンとは全く別物? 一度味わうと忘れられない美味しいベーコンをおうちで作ってみませんか? 時間のかかる作業ではありますが、難しいことは決してありません。さっそくやってみましょう♪
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塩漬け方法は【乾塩法】と【湿塩法】の2種類

ベーコンを作る際は、保存性を高めるため肉を塩漬けにする必要があります。そこで最初に考えなければならないのが、乾塩法にするか湿塩法にするかということ。

乾塩法とは

乾塩法は「液体を用いず塩漬けにする方法」であり、一般的には肉の重さに対して1.5〜3%の塩を直接肉肌にすり込みます。この時、風味づけと臭い消しにブラックペッパーなどのスパイスやハーブなどをお好みで擦り込んでもいいですよ。もちろん塩だけでもOK。塩がしっかり浸透するよう、肉を何箇所かフォークで刺して穴を開けておくのを忘れずに。

また、塩辛さを和らげるために砂糖やハチミツを使う場合もありますが、私はほとんど使いません。塩の重さも測らないことがほとんど。肉肌が隠れるくらいの量の塩にスパイスとドライハーブを混ぜ込んで、肉に塗りつけます。塩が足りないと腐敗の心配がありますが、多い分には特に問題ありません。

湿塩法とは

湿塩法はソミュール液やピックル液などの液体に肉を漬け込むやり方です。

肉に塩が均等に回りやすく、味の仕上がりにムラができにくいとう利点があります。また、ハーブなどの香りを存分に楽しめる方法でもあります。

ソミュール液とピックル液の違いとは?

一般に燻製用に使う液は“ソミュール液”とひとまとめに呼ばれる場合が多いようですが、厳密にいうとこれらには違いがあります。

ソミュール液


ソミュール液とは「塩水」のことで、一般的には5〜30%程度の塩水が使われます。塩分濃度が高いほど塩辛くなり保存性が高まりますが、塩辛くて食べにくい場合には塩抜きをする必要があります。

ピックル液


ピックル液は、ソミュール液にハーブやスパイス、香味野菜やリキュール・スピリッツなどを加えて煮切ったもの全般をいいます。作り手のセンスと個性が試される、一番おもしろいところかもしれません。

ピックル液を作ってみよう(オリジナルレシピ)

私はいつもオリジナルのピックル液を使って燻製を作ります。せっかくですからそのレシピもご紹介しますね。

・塩
肉100gに対して塩5〜15%程度。塩が回りやすいので、塩辛くなり過ぎないよう気をつける。塩気を強めたいときは岩塩を、味に深みを出したいときは藻塩を──といった具合に使い分ける場合も。

・ハーブ類
よく使うのはタイム、ローズマリー、セージ。フレッシュでもドライでも構いませんが、個人的にはタイムはドライ、セージとローズマリーはフレッシュのまま使うのが、それぞれの香りが引き立つので好きです。

・スパイス
粗挽きブラックペッパーをたっぷり。ナツメグやコリアンダー、ローリエ、クローブなど、お好きなアレンジで好みの配合を探してみてください。

・香味野菜
ニンニクスライスを一欠片分。
ニンニク以外にも玉ねぎやリンゴは香りづけにいいだけでなく、酵素が肉質を柔らかくしてくれるはたらきがあります。

・ウォッカ
アルコール度数40%以上のものを使います。ピックル液を一度煮切るレシピをよく見ますが、私は液に火を入れません。その理由は、アルコールを利用してハーブやスパイスの香りを全体にまんべんなく回したいのと、アルコールの抗菌力を借りたいからです。ピックル液というよりもチンキっぽいかもしれませんね。

このほか、醤油をひと回し入れたり、ウォッカを酒やリキュールに変えたりなど、気分などによってアレンジしてみると楽しいですよ。

失敗しない塩漬けと塩抜きの方法


▷乾塩法の場合

乾塩法で塩漬けする場合は、肉にまんべんなく塩が行き渡るようにします。保存袋やバットなど何を使ってもかまいません。

▷湿塩法の場合
ソミュール液やピックル液に漬ける場合は保存袋を使い、できるだけ中の空気を抜くようにします。あるいはタッパーなどにひたひたに液を注ぎ、お肉が空気に触れないようにしてください。お肉を空気に触れさせないことで、脂質の酸化を防げます。

乾塩法も湿塩法も、冷蔵庫で三日から一週間程度漬けておきます。私の場合、乾塩法だと一週間、湿塩法だと三日から五日間くらいが多いです。塩辛さを確認する場合は、ベーコンの角を少し切り取り、焼いて食べてみてください。肉のはしっこは中よりもしょっぱいのが普通ですが、この時点では少ししょっぱくて食べにくいくらいがちょうどいいです。※絶対に生では食べないでください。

▷塩辛過ぎる場合は? 塩抜きの方法
肉を味見してみて塩辛過ぎる場合は、流水に漬けて塩抜きをします。「水がもったいない」なんてときは、できるだけ大きめのボウルなどにたっぷり水を張り、そこにお肉を浸けておきましょう。

塩が抜け過ぎてしまうと肉が水っぽくなり風味が抜け、保存性も悪くなってしまうので、やり過ぎに注意!

一度多めの塩に漬けてから塩抜きをした方が、全体にまんべんなく塩が回るということで、塩抜きは燻製づくりの必須工程とされることが多いようです。ですが、私はほとんど塩抜きをしません。塩抜きをしなくていい程度に塩を配分しているからです。

塩抜きする時間は、大体三時間から一晩ほど。たまに肉の端っこを切って焼いて味見をしてみるのが確実です。少し塩分が弱いかな? と思う頃合いがベスト。

慣れてくると、塩加減も感覚でコントロールできるようになってきますよ。

最後に

塩漬けは、ベーコンが個性を帯びるもっとも楽しい工程であり、保存性を高めるもっとも重要な工程でもあります。いろいろとアレンジして、自分だけのオリジナルレシピを探究するのも楽しいですよ。

さて、次回は肉を干していよいよ燻製に備えます。「何のために干すの?」「肉を干して、どうして腐らないの?」などの疑問にもお応えしますよ。お楽しみに!

「おうちで自家製ベーコンをつくろう!」シリーズ一覧【全4回】
【第1回】初めてでも出来る「自家製ベーコンづくりと燻製の基礎知識」
【第2回】燻製液でアレンジを楽しもう【ソミュール液・ピックル液】
【第3回】燻製前に干し肉を作ろう!知っておきたい安全な乾燥方法
【第4回】スモークウッドの使い方と自家製ベーコンの燻製方法

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MTWアキ

MTWアキ

料理愛好家/ライター/クリエイター/作家
「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?