自宅でかつお節を削ろう!初めてでも失敗しない鰹節削り器の使い方

自宅でかつお節を削ろう!初めてでも失敗しない鰹節削り器の使い方

昔はどこのご家庭にもあったといわれる鰹節削り器。「かつ箱」「鰹鉋(かつおかんな)」とも呼ばれ、文字通り鰹節を削るための道具です。
鰹節は削りたてが一番おいしいものですが、「自宅で鰹節を削るのって難しそう……」と敬遠している方もいらっしゃるはず。

――そんなことは全くありません!

一昔前までは誰もが家で鰹節を削っていました。つまり、誰でもできるくらいに簡単ということ。その文化が廃れてしまったのは、それだけ忙しい人が増えたからでしょう。

でも、削りたての鰹節のおいしさは格別ですから、是非この機会に鰹節の削り方を学んでくださいね。

鰹節を削るのに必要な道具は?


鰹節を削るのに必要な道具はたったの五つ。

■鰹節削り器
鰹節削り器は、大工さんなどが使う鉋(かんな)に箱をつけたもの。専用の鉋でなくても、大工さんなどが使う鉋でも代用できます。

■木づち
鰹鉋(かつおかんな)の刃の位置を調整するのに使います。箱を叩いて刃を調整しますから、本体にダメージを与えないよう木づちを使います。なければ金属製のハンマーにタオルなどを巻いて、木製の箱にダメージを与えないよう工夫してくださいね。

■鰹節
これがなければ始まりません。今回は本枯節を使います。

■軍手
鰹節削り器の刃から手を守るということもありますが、軍手を使う一番の理由は「鰹節に余計な水分や脂、菌を移さないようにするため」です。もともと鰹節はとても乾燥しており、優良カビがたくさん付着していますから、そこまで菌にシビアなものではありません。しかし食品である以上は、細心の注意を払って取り扱いたいですね。

■布巾やキッチンペーパー等
これは、鰹節の削る部分に付着しているカビを拭き落とすために使います。乾拭きで使いますから、決して水で濡らさないでください。鰹節に水気は厳禁ですよ。

鰹鉋(かつおかんな)の形状

まずは鰹鉋がどういうものなのか、簡単にご説明しますね。


これは私が実際に使っている鰹鉋で、鰹節を削るための専用鉋です。箱状になっており、上部にはすっぽり鉋がはまっています。この鉋で鰹節を削ると、下の箱に削り節がたまっていくという具合です。

部位の名称はいろいろありますが、今回は台頭(だいがしら)台尻(だいじり)だけ覚えておけば十分。

台頭を手前に向けて削るやり方もありますが、台尻を手前に向けて置くのが一般的です。

鉋(かんな)の刃を調整しよう

鰹節を削るにあたり、刃を調整する必要があります。刃が出ていないと鰹節が削れませんし、かといって出過ぎていてもキレイに削れません。

細かい調整は後で鰹節を実際に削りながらしていくとして、まずは大体このくらいだろうというところまで調整しておきます。


刃を大きく出したいときは、鉋の裏側から刃の頭部分を叩きます。が、実際にこれを行うのは、刃の手入れをするために刃を台から取り外したときなどくらいです。調整する際は、台頭、台尻を叩きます。


刃を出したい場合は、台尻を叩きます。強く叩くとその分大きく刃が出ますし、軽く叩くと微調整ができます。

逆に刃を引っ込めたいという場合は、台頭を叩きます


こればかりは実際にやってみて感覚を覚えるしかありませんが、何も難しいことではありません。誰でも数回やればコツが分かると思います。

刃先はとても鋭いので、手や指を切らないよう十分ご注意くださいね。

本枯節の扱い方と削る前のポイント

今回は、本枯節(雄節)を使って鰹を削っていきます。ここで重要なのが、鰹節の向きや位置。というのも、向きや位置を間違ってしまうと、きれいな削り節にならないのです。

鰹節を削る際は、鰹節頭側の腹側を下にします。難しいようですが、よく見れば一目瞭然。ポコッと出ている部分から削っていけばいいのです。


この拡大部分のポコッと出ている部分を下にして、下図の赤線のように角度をつけながら削っていきます。


どうですか? イメージできてきましたか? それでは実際に鰹節を削る前に、まずはこの赤線部分の表面に付着しているカビを布巾やキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。


本枯節は、カビの力を借りながら時間をかけながら作られています。優良カビですから食べても害はありませんが、ややひなびたような匂いがしますから、スッキリとクリアな出汁をとるなら丁寧に拭き取っておくのがいいですね。

いよいよ本番!鰹節を削ろう

さて、いよいよ鰹節を削っていきますよ。

鰹節を削るときの持ち方ですが、いろいろな角度から手元を撮った写真を用意しました。


ゴルフクラブをにぎるときの右手の要領で、鰹節を包み込むように持ちます。あとは手根から鰹節を押し出すような意識で、あまり力を入れず刃に向かって優しく鰹節を削ります。また、そのときはポコッと出ている部分の角度に合わせて、全体を起こすように持ちます。


鰹節を削るとき、最初はどうしても粉っぽくなってしまいます。また、今回は雄節を使っていますが、雌節ですと脂が多くなり、やはり粉っぽくなってしまう場合があります。薄くきれいに削りたいのなら、最初は雄節がオススメですよ。

さて、削ったものを見てみると、まだ少し厚い様子。


このまま削っていくと、荒削りになってしまいます。蕎麦汁やおでん、ラーメンスープなんかをつくるにはいいですが、今回はお吸い物用に薄く上品な削り節がほしいので、木づちで台頭を叩きながら調整していきます。二回調整して、理想通りの薄さになりました。

風味を長持ちさせる鰹節の保存方法

鰹節は、削ったそばからすぐに酸化していきます。ですから、理想的なのは調理の直前に削るということ。どうしてもそれが難しいようでしたら、削ってすぐに出汁をとったものを冷凍しストックしておくのがオススメです。

また、まだ削っていない本枯節本体は、ラップに包んで保存袋に入れて保存してください。


暑い夏は冷蔵庫に入れた方がいいかもしれませんね。冬など寒い季節でしたら、常温保存でも大丈夫です。鰹節は非常に腐りにくいもの。未開封で二年以上ももってしまうという優れもので、昔は武士が保存食・携帯食として腰から下げて歩いていたとか。

鰹節は腐敗の心配がほとんどありませんが、風味は時間とともにどうしても落ちてしまいますから、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。

鰹節は水濡れ厳禁!湿気や乾燥にも要注意

また、鰹節は湿気に弱く乾燥にも弱いので、絶対に水を吸わせないこと。そして、乾燥し過ぎてしまってもいけません。湿気を帯びると黒カビなど悪いカビにやられてしまう可能性がありますし、乾燥し過ぎてしまってもどうしようもなくなります(粉になってばかりできれいに削れなくなり、風味も落ちます)。

湿気を持たせず乾燥させずと意識すれば、いつまでも削りたてのおいしい鰹節を楽しめますよ。

最後に

パックで売られている鰹節と、自分で削った鰹節の風味には、天地の差があります。本来、顆粒出汁なんかも「手間を省略すること」を目的に広く流通したと思いますが、実は鰹節を鉋で削るという行為にそれほど手間はかかりません。

子供も本物と偽物の味が分かるようで、息子は削りたての鰹節を使ったスープなどを喜んで飲んでくれています。最近では鰹節を削るのを手伝ってくれるようにもなりました。

親として日本の伝統文化を、体験とともに我が子に伝えていきたいと思います。

The following two tabs change content below.
MTWアキ

MTWアキ

料理愛好家/ライター/クリエイター/作家
「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?