やみつき必至!かつお出汁の正しい取り方&鰹節のホントのおいしさとは?

やみつき必至!かつお出汁の正しい取り方&鰹節のホントのおいしさとは?

みなさんご存知の「鰹節(かつおぶし)」。でも、かつお出汁の正しい取り方を知っている人はどれだけいらっしゃるでしょう?

最近ではお手軽な顆粒の出汁調味料を使ったレシピを当たり前のように見るようになりました。本当の鰹節でとった出汁にはすっきりと上品な旨みと風味があるだけでなく、実は栄養もたっぷりなんですよ。

先人達が長い時間をかけ、知恵を絞って育んできた日本の伝統文化を今一度振り返り、その素晴らしさをみなさんと一緒に学びたいと思います!

鰹節にもグレードがあるって知ってる?

実は鰹節にもいくつかの種類があります。私たちが普段よく目にしている削り節は「荒節(あらぶし)」という鰹節を削ったもの。鰹節にカビを何度もつけ、時間をかけながら作る「本枯節(ほんかれぶし)」がもっとも高級な鰹節とされています。まずは簡単に鰹節の種類についてご紹介しますね。

■本節(ほんぶし)
2.5kg以上のかつおを三枚におろし、血合いを切り落としたもの。背中側は雄節(おぶし)と呼ばれ、腹側は雌節(めぶし)と呼ばれます(これは鰹節すべての共通する呼称)。雄節は脂が少ない分すっきりしているのに対し、雌節はインパクトのある出汁がとれやすい分アクが出やすく濁りやすい傾向があります。

■荒節
本節を煮てから乾燥させ、水分を26%以下にまでした燻製状の鰹節を荒節と呼ばれます。一般的にスーパーなどに流通しているのがこれで、食品表示に「枯節」の表記がないものには大体荒節が使われています。出汁が出やすく価格もお手軽ですが、やや生臭く出汁が濁りやすいという弱点があります。

■裸節(はだかぶし)
荒節の表面の脂肪分など余計なものを切り落として形を整えたもののことをいいます。

■枯節(かれぶし)
裸節に優良カビをつけてたんぱく質を分解し水分を飛ばす。カビを落としてもう一度カビをつけて同じことを繰り返す。これを2回以上繰り返したものが枯節です。カビによって身が分解されていくことによって臭みがなくなっていき、保存性も高まります。

■本枯節
枯節の工程をさらに繰り返し、およそ半年近くもかけて完成されるのが本枯節。澄み切った風味と上品な旨みは、特に関西で好まれたとか。鰹節の最上級品が本枯節です。

鰹節以外の削り出汁の種類

実は出汁を取るのに用いられる節は、鰹だけではありません。鰹節以外にもいろいろな節があります。代表的なのが「さば節」でしょうか。近年は魚介系ラーメンの流行もあり、魚出汁にこだわるラーメン屋さんが増えてきました。それに伴い「さば節」という言葉を耳にするようになった人も増えたはず。

また、マグロもマグロ節として日本では昔から愛されています。日本人はとにかくマグロが大好き。旨みが強い性質ですが、意外にもすっきりと上品な出汁が取れるのが特徴です。

このほか、イワシ節というものもあり、これの原料はウルメイワシ。また、昔はソウダガツオから作られるそうだ節もあまり珍しくありませんでした。鰹よりも濃く野趣にあふれた出汁がとれるので、今でもうどん屋さんやそば屋さん、ラーメン屋さんなどで使われることがあります。

出汁に使う鰹節の正しい分量とは?

どのくらいの量の湯に、どのくらいの削り節をつかうか。これにはいろいろなやり方や考え方があります。また、削りたての本枯節をつかうか、荒節をつかうかによって香りが変わってくるのも難しいところ。一般的に削りたての本枯節がもっとも濃厚な旨みを出します

ご家庭で鰹出汁を取る際は水1Lに対して20g程度が適当でしょうか。普段、外食や顆粒の和風出汁などに慣れている方ですと、少し物足りなく感じるかもしれません。

料亭などでつかわれる鰹節の量はおよそこれの2倍くらいが多いようで、水1Lに対して削り節が大体40~50g。でもこれは、ご家庭にはあまり現実的な量ではありません。実際に40gの鰹節を手に取ってみれば分かりますが、水1Lに対してこの量を使うのはあまり家計に優しくないです^^;

どのくらいの量かと言いますと──


写真の通り、手からあふれんばかりの量!

実はこれでかつお節20g分。つまり、料亭などではこの二倍ほどの量が使われているということ。

一度の料理でこのくらいの量をつかうのは、主婦には少し勇気がいりますよね……。ですから我が家では、水1Lに対して削り節は大体20g。これでも本枯節の削りたてを使えば、十分においしい出汁がとれるんですよ。ぜひお試しください!

鰹出汁の正しい取り方

鰹節の削り方については、詳しくご紹介した記事がありますので、そちらも併せてご覧ください。
今回は、鰹出汁の基本的な取り方をご紹介します・自分で削ったものであれ既に削ってある市販品(花かつおなど)であれ、基本的に出汁の取り方は変わりません。それでは日本古来より伝わる鰹出汁の正しい取り方をご紹介します! 意外と簡単ですよ^^

①湯を沸かす


鰹節を取るのに最適な温度は85℃。料理用の温度計を使ってちょうど85℃を計測したのが、写真のような状態です。合図は、鍋底に小さな気泡が立ちあがってきたころ。

これ以上の温度になると鰹節独特の風味が飛んでしまうだけでなく、アクが出やすくなり生臭くもなりやすいです。結果、見た目も濁ってすっきりとしない仕上がりに。特に関西では椀の透明度を大切にする文化があるため、出汁の温度管理にはひときわ慎重です。

②鰹節を鍋に入れる


湯が85℃になったところで鰹節を入れて、すぐに火を消します。「出汁をしっかり出したい」という気持ちからつい「もう少し加熱してみようかな……」なんて誘惑に駆られますが、そこはグッと我慢の子。私も最初はその誘惑に勝てずにずいぶんと失敗してしまいました^^;

加熱して出汁を出そう出そうとすると香り成分が気化してしまい、結果的に出汁の薄い、香の弱いものができあがってしまいます。鰹節は煮物ではなくあくまで出汁ですから、煮詰めるようなことをしてはいけませんよ。

③そのままおよそ3分間、蒸らす

鰹節を湯に入れたからといって、すぐに出汁がとれるわけではありません。先にお話ししたように、あまり長時間つけ過ぎると鰹のアクや臭みが出てきてしまいます。鰹節を入れてからおよそ3分程度の蒸らしがちょうどいいみたいですね。もし心配でしたら味見をして確認してみてください。ここまでが正しい手順であれば、この時点でも充分に納得のいく出汁が取れているはずですよ。

④ザルと布巾などを利用して濾す


出汁が十分に出たところでザルなどを利用してだしがらを濾します。ザルに布巾やキッチンタオルなどを敷くと、細かいカスなども取り除けて見た目に美しい仕上がりになります。

布巾を使うとき、乾いたままだとせっかくとった出汁を布巾が吸ってしまい、大幅なロスが出ることに、あらかじめ水に濡らして固く絞っておくのが、ロスを出さない秘訣です。

以上で鰹出汁を上手に取ることができますが、だしがらを絞らないことが重要!

鰹節をザルなどにあけたら、自然落下に任せるまま余計な力を使わずに出汁をとり、最後もだしがらを決して絞らないでくださいね。だしがらを絞るとアクやエグみが強くなるだけでなく、せっかくの出汁が濁りやすくなります。


これで琥珀色に輝く、美しい鰹出汁のできあがり。塩や薄口醤油を加えていないこの状態で製氷機などに流し込んで冷凍してしまえば、いつでもお手軽に使える即席出汁のできあがりです。冷蔵だと三日目には香りが死んでしまいますが、冷凍だと長持ちしやすいのでオススメですよ。

だしがらは絞っちゃいけないって本当?

せっかくの機会ですから、「だしがらは本当に絞っちゃいけないのかどうか」を検証してみました。写真左は正しい取り方でとった鰹出汁。右はだしがらを絞ってとった鰹出汁です。


見た目については写真をご覧いただけば一目瞭然ですね。正しい方法でとった出汁は黄金色に透き通っており、絞った方の出汁は色味が薄くやや濁っているようです。どうして見た目にこれだけの差が出たのか。旨みが出きっただしがらを絞ることで水っぽさだけが出てしまった──と考えるのがよさそうです。

味の方も、ほとんどこの見た目と同じ印象。左の鰹出汁はすっきりとした旨みを感じるのに対し、右の鰹出汁は風味が弱くほとんど味がしません。まったく同じ出汁をとったものであるにもかかわらず、工程やほんのちょっとした作業手順の違いによって、これほどまでに差が出てしまうのです。

鰹節を使うとおいしい料理

鰹節は日本料理の歴史の中ではぐくまれた文化ですから、やはり日本料理ともっとも相性がいいようです。

とはいっても、実はちゃんと自分で削った鰹節は意外なほどクセがなく、和食だけでなく洋食に使うこともできちゃいます。カレーなど煮込み料理の隠し味にはもちろんのこと、ピラフやパスタなどにも隠し味程度に使うと、豊かな奥行きが演出できますよ。こういうときこそ冷凍保存でストックしておいたものを利用したいですね。

実はすごい⁉ 鰹節の栄養価

実は鰹節はとても栄養のある加工食品だということ、みなさん知っていますか? たとえば消化にすこぶるよく、低カロリーである上に高タンパク。人間が体内で作り出せない必須アミノ酸を豊富に含んでいる上、カルシウムやミネラルを含んでいます。さらに抗酸化作用や血液サラサラ効果などに期待できるビタミンEまで。

カリウムやビタミンD、リンまで含んでいる鰹節は、まさに日本人の食と健康を根底から支えてきた国民食といえるでしょう。子どもの発達に必要なトリプトファンまで含んでいるんですよ。

そんな鰹節の一番理想的な食べ方は、やはり上手に出汁を取ること。また、削った鰹節をそのままふりかけにしたり、おやつにパクパク食べるのもいいですよ。

削りたての鰹節はまるで雪のように舌の上で溶け、旨みを味わわせてくれます。お酒のおともにもよさそうですね。息子も削りたての鰹節が大好き。鰹節を削っていると、欲しい欲しいとねだってくるほど。それくらいおいしいのです。

最後に

どんな料理にも合うかつお出汁は、万能調味料といってもいいかもしれませんね。また、鰹節は市販されている削り節と自分で調理直前に削ったものとではまったく香りが違います。もしこれを機に本当においしいかつお出汁に興味を持っていただけたなら、ぜひご自分で鰹節を削ることにも挑戦してみてください。きっと鰹節への印象が変わりますよ!

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MTWアキ

MTWアキ

料理愛好家/ライター/クリエイター/作家
「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?