毛先がキレイでも交換は必要?気をつけたい歯ブラシの寿命と交換のタイミング

毛先がキレイでも交換は必要?気をつけたい歯ブラシの寿命と交換のタイミング

あなたはどのくらいの頻度で歯ブラシを交換していますか?
1ヶ月が交換の目安というのを聞いたことがある方でも「でも見た目はまだ結構キレイだし使えそう」とそのまま使っているケースも多いのではないでしょうか。

それに、乳幼児など子どもの歯ブラシなどは、子どもが噛んだりしてすぐ毛先が傷むので、一ヶ月も経たずにボロボロになりますよね。
一日の歯磨きの回数や使い方によっても歯ブラシの交換時期というのは変わってきます。

実は歯ブラシを衛生的に保つには、「正しい交換のタイミング」「保管場所」「使用後の扱い方」の3つがとても重要なポイント。
今回は、気になる歯ブラシや歯磨き粉の寿命や交換のタイミングについてみていきましょう。

歯磨きするのは虫歯予防のためだけじゃない

口の中には大量の常在菌が住んでいる

人の体には1000種類以上、数百兆個の微生物が至るところ住んでいて、これを常在菌と呼びます。そのうち口の中にいるものは、数百万~数十億と言われています。
「うわ、そんなに菌がいたら病気になりそう・・・。どうして平気なの?」と不思議に思われそうですが、実は口の中にいる細菌の病原性(体に悪く働く性質)はとても弱く、普段は唾液の洗浄・抗菌作用と毎日の歯磨きによって細菌数は抑えられ、病気など悪影響をもたらさないように共生のバランスが保たれているのです。

口腔清掃が不十分だとバランスが崩れる

ところが、高齢で身体が弱ってきたり病気で免疫力が低下している状態で、さらに口腔清掃が不十分だと口腔内細菌が増加して共生関係が崩れてしまい、さまざまな疾患を引き起こします。2012年の愛知県がんセンター研究所の行った疫学調査では、「歯磨き習慣がない(口腔内細菌が多い)と、がんの危険性が2.5倍になる」という発表されているほどで、歯磨きなどの口腔清掃は虫歯対策だけでなく、健康のためにもとても重要な習慣であることがわかりますね。

また、歯磨きするための歯ブラシがもし傷んでいたり雑菌だらけだとしたら…これもまた清掃の意味がなくなるので、しっかりと清潔な状態で使用することが大事ということになります。

毛先がきれいでも歯ブラシの寿命は一ヶ月?


1日3回、例えば毎食後に歯磨きをした場合だと、歯ブラシの寿命は約1か月と言われています。
ライオン株式会社が行った歯ブラシの清掃力試験では、「毛先が約1割開いた歯ブラシは、新しい歯ブラシと比較して、清掃力が約2割低下」したという結果が出ており、またサンスター株式会社も「交換時期が過ぎたハブラシは、みがき残しが出やすい」ということや、特に歯間部は、古いハブラシだと効果は約3割に激減するという調査から、月1回のハブラシ交換を推奨しています。

月1回、交換する日を決めておこう

ついつい忘れてしまうという方は、毎月8日が「歯ブラシ交換デー」の記念日として制定されていますので、カレンダー等に書いておくとよいかもしれないですね。
「高価な歯ブラシだから、一ヶ月くらいじゃ勿体無い」はNG。価格に関わらず、何ヶ月も使うのはお勧めしません。もったいないと思うくらいなら、安い歯ブラシをこまめに交換しながら使うほうが良いでしょう。

ちなみに「1ヶ月も経たないうちに毛先が傷むんだけど・・・」という人は傷んだら交換するのはもちろんですが、ちょっと磨き方に問題があるかも?
力を入れすぎていると逆に歯や歯茎を傷める原因にもなるので、歯医者さんに相談してみましょう。

電動歯ブラシのブラシ部分の耐久性は約2~3ヶ月

電動歯ブラシをご利用の場合は、通常一ヶ月よりも長く使えることが多いです。もともと力をそれほど使わずにきれいに磨ける構造になっており、通常の歯ブラシよりブラシ部分への負荷が少ないからです。電動歯ブラシのメーカー各社から交換時期の目安が案内されているかと思いますので、それに沿って交換しましょう。
もっともあくまで一般的な「目安」なので、これも使う頻度や使い方によって個人差があります。毛の摩耗状態を見ながら、衛生面が気になる場合は2ヶ月くらいでも取り換えたほうがいいかもしれませんね。

劣化の早い子どもの歯ブラシ問題


歯磨きトレーニング中のママさん達に聞いてみたところ、何と週に1回交換しているという人も…。噛みグセのあるお子さんだと買ったばかりの歯ブラシが一日でボロボロになったケースもあります。

小児歯科の先生に聞いてみた

筆者の場合も子どもが2歳~3歳くらいまで歯ブラシを噛む癖が酷かったため、小児歯科の先生に相談してみたところ「トレーニング中に大切なことは、毎食後に歯みがきをする習慣をつけることです。噛む癖が直らないうちは、お子さん用と仕上げ用の歯ブラシを分けてください。お子さん自身が使う歯ブラシが少々傷んでいても、仕上げ磨きがしっかり出来ていれば心配は要りません」ということでした。

仕上げ磨き用の歯ブラシも噛んでダメになることもありますが、幼児になれば少しずつ言い聞かせることで噛む癖は直っていくので、それまではこまめに毛先が傷んだら随時交換してあげる必要があるそうです。
交換の目安は、歯ブラシを後ろから見た時に、毛先がヘッドからはみ出していたらアウト! 毛先が開いた歯ブラシは歯茎を傷つけてしまう恐れもありますので、ここは涙を飲んで耐えましょう。
(おかげさまで最近はだいぶ噛まずに磨けるようになり、虫歯もなく白くきれいな歯をキープ中です)

学校や職場でのランチ後に使う歯ブラシの交換頻度

アメニティトレイ
歯ブラシポーチに入れて持ち歩く人も多い

 
先ほど月1回の交換目安として、使用頻度は1日3回使った場合としていました。
つまり、お昼にだけ一日1回使うものなどは、単純に考えると1ヶ月より長く使えることになります。

ただ、歯ブラシに問題がないように見える場合でも、同じ歯ブラシを使用する期間が長ければ長いほど菌がたくさん付着していきます。古い歯ブラシほど雑菌が繁殖しやすくなるという研究結果もあるので、やはりこまめな交換がベストです。特に後で述べる保管方法に問題がある場合は要注意! あまり清潔に保管している自信がないという方は、毎月交換する方がよいでしょう。

清潔に使っているけど、つい交換のタイミングを逃してしまうという方は、ヘッド側から見てヘッドから毛先が出たら交換する、(携帯用の)歯磨き粉を使い切ったら一緒に処分するなど、自分なりの基準を設けておきましょうね。

旅行用などの歯ブラシや歯磨き粉はいつまで使える?

アメニティトレイ
▲ホテルの備品としても使える山崎実業のアメニティボックス

 
最近はほとんどホテルや旅館など宿泊施設にアメニティとしておいてあるところが多いので、旅行用に持ち歩く人は減っているかもしれませんが、夜行バスや自家用車で長時間移動する場合や外食後にきちんと磨きたい場合など、まだまだトラベル用の歯磨きセットの需要はありますよね。
とはいえ、それほど頻繁に使うものではないので「あ、これ前に買ったけど使ってないやつだ。まだ大丈夫かな…」というケースもあるのでは?
歯ブラシは先ほどあったように保管状態によっては雑菌が繁殖しているかもしれないので、見た目がきれいでも1ヶ月以上放置されていたなら交換したほうが無難ですね。

歯磨き粉には使用期限がない

実は通常、歯磨き粉(チューブなど)には消費期限や使用期限は記載されていません。医薬品医療機器等法の規定により、未開封品を通常の環境※に保存した場合、製造から3年間経過しても有効性、安全性はもちろん、使用感上も問題がないように設計されており、期限を記載する必要がないからです。(※ここでいう通常の環境とは、高温や直射日光、および湿度が高い場所、温度変化が激しい場所を避けた保管場所のことです)

メーカーにもよりますが製造年月日が記されているものもあるので、いつ買ったものか分からない場合は手がかりになるかもしれません。ただしどのメーカーでも、ほとんど「開封後はなるべくお早めにご使用ください」という案内がされています。変色や異臭がしなければ1年くらいなら大丈夫かもしれませんが、使いかけのものでいつの物か記憶がない場合や変色や異臭がある場合は、残念ですが処分しましょう。

さいごに

歯ブラシの寿命や交換のタイミング等について調査してみましたが、歯科衛生士さんに歯ブラシの寿命について取材するまでは、いままで自分用の歯ブラシについては特に意識せず「傷んできたから変えようかなー」くらいに思いながら使っていたので、今後は交換デーを自分なりに作って気をつけていきたいと思います。
次回は引き続き「保管場所」(収納的な問題もあるので、専門家にも相談してみます)や「使用後の扱い方」についても詳しく調査して結果をお知らせしますので、気になる方は是非チェックしてみてくださいね。

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参考資料
「生活習慣のコツ(意外と知らない歯みがき習慣)」クラブサンスター(サンスター株式会社)検索日:2019/1/19
歯とお口の健康のアイデア(ライオン株式会社)検索日:2019/1/19
有本 錦 , 佐藤 勉「歯ブラシの毛先の形態と使用後の細菌汚染並びに口腔細菌数との関連」 日本歯科大学東京短期大学雑誌7(1), 65-72, 2017-10
歯磨きでがんリスク3割減/1日2回以上が効果的 | 全国ニュース | 四国新聞社
※上記の資料のほか、記事内容については歯科衛生士や小児歯科の先生方への取材協力により執筆しておりますが、あくまで見解の一つであり業界の総意ではない意見も含まれることと、取材当時の情報となりますのでご了承ください。

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編集部Uchida

編集部Uchida

編集者、ライターリビングートマガジン編集部
図書館司書&ライターとしての経験を活かし、皆さんの日常生活に役立つ情報や疑問についての文献調査や取材、実験などを行いながら研究成果を情報提供をしています。「暮らしのヒント」では働く女性や子育てに役立つコラムを中心に執筆。昨年くらいからは、しらべルートの辞書監修と雑学コラムも担当中です♪