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カビやヌメリに要注意!清潔に保つ「歯磨きコップ」の保管とお手入れのコツ

毎日使う歯ブラシやコップ。実はとても汚れやすいんです!
せっかく歯みがきなどで口の中をきれいにしても、不衛生なコップを使っていては台無し。

衛生を保ちたくても、洗面所などの水回り=カビやぬめりが発生しやすい場所なので、その保管方法についても気をつけたいところ…。
今回は歯磨きコップによくある汚れの正体やそれぞれの対処法、適切な保管方法、清潔に保つコツなどについて詳しくご紹介します。
歯磨きコップ

気になるコップの汚れやぬめりの正体は?

歯磨きコップは使い続けることで、いつの間にか汚れはたまっていきます。
一見キレイに見えるコップも、実はよく見ると水垢などで汚れている場合が…。

特に歯磨きコップに起こりやすく気をつけたい不衛生な汚れの代表は、「ピンクっぽいぬめり」「黒カビ」
「見たことある!」という方が多いと思いますが、これらの正体って意外と知られていませんよね。

では、お手入れ方法とともに、詳しく見ていきましょう。

黒カビ

正式名(学名)は「クラドスポリウム(Cladosporium)」です。
カビは湿度の高い環境を好み、なんと埃(ほこり)やプラスチックさえも栄養にしてしまうという、たくましすぎる困った性質をもつので、洗面台の歯磨き用コップにカビが生えやすいのは当然ともいえますね。

黒カビはアルコールなどの消毒剤に弱く、耐熱性もあまりないため、カビの中では比較的「除菌」しやすいタイプです。
うがいコップは直接口にするものなので、「あまり強い洗剤を使いたくない」という場合は、食品グレードの重曹とお酢を使って除菌することも出来ますよ。

重曹とお酢を使ったお手入れ
プラスチック製のコップなどの場合、カビ取りを行う場合はこちらの方法がおすすめです。
なお、お手入れ前にまず表面の汚れを落とし、換気をしましょう。
  1. お酢と水を1対2の割合で薄め、スプレーボトルに入れてカビに吹きかけます。
  2. さらに重曹を振りかけてから、もう一度お酢のスプレーを吹きかけます。
  3. 2時間ほど放置し、スポンジなどでこすり落とせばカビが落ちます。
  4. 最後に水でお酢と重曹を洗い流します。

最後に水で洗い流すことも実は重要で、しっかりとお酢を洗い落とさなければカビの再発を招きます。お酢は殺菌効果があるためカビに効果的である一方、同時にカビの栄養にもなりえるからです。

ピンクのぬめり

お風呂場などでも目にすることの多い、ピンク色のぬめり。
代表的な原因菌としては、ロドトルラメチロバクテリウムなどがあげられます。

これらは赤色酵母と呼ばれる微生物で、カビやキノコと同じ菌類です。
ピンクヌメリの原因菌は増殖が早く、早ければ数日から一週間でピンク色になるまで増殖します。

細菌の発生要因は一般的な細菌と同じで、主に「水分」「栄養」「温度」の三つ。
特に、増殖を防ぐためには「ため水」を作らないことが大事です。

浴室や洗面所などは菌の栄養源となる微量な皮脂や垢タンパク質などを含んだ水が日常的に発生するため、洗面台などの水滴は毎回すぐに拭き取るようにしましょうね。

もしピンクのぬめりが発生してしまった場合は、消毒用エタノールか塩素系カビ取り剤を使って殺菌してから布等で拭き取りましょう。

メチロバクテリウムについて

赤色酵母の中でも、メチロバクテリウムは乾燥に強く、洗剤にも強いという、非常にやっかいな性質の菌です。
風呂洗剤や食器用洗剤では殺菌することができません。
一般的にカビなどに強いとされる塩素系薬剤や、塩化ベンザルコニウム、紫外線や過酸化水素などにも「殺菌抵抗性」を示しているため、薬剤などの使用で見た目はキレイになったように思えても、実は菌はゼロにはなっていません。目に見えない部分で残っていると思うと恐ろしいですね。
1週間も経たないうちに、ピンク汚れが再発生してしまうのは、このためです。

ある研究(※)では60度以上の加熱処理による殺菌効果が認められているため、熱湯による消毒が効果的といえます。
ただし、歯磨きコップは熱に弱いプラスチック製品のものが多いので、必ず耐熱温度を確認してから消毒を行ってくださいね。
(シリコンなどが素材のコップであれば、耐熱温度が高めの事が多いです)

シリコンのうがいコップ

衛生的なコップの保管方法は?

――というわけで。
発生してしまうと非常に厄介なので、カビや汚れが発生あるいは再発する前に、日頃からコップの扱いには気をつけておきたいものです。
うがいやハミガキ後に使用するコップの保管について、注意したいポイントは3つあります。

【1】上を向けて置かない

長時間コップの底に水が溜まっている状態は不衛生なので、しっかり水が切れる状態にしたいところ。
ひとつの歯磨きコップや歯ブラシスタンドに家族分の歯ブラシをまとめて保管している例もブログ等によく見られますが、歯ブラシ同士の毛先が触れ合わないように注意してください。

毛先が触れ合うことで雑菌を共有することになり、そのうえ、歯周病や虫歯菌などの感染にもつながります。

また、歯ブラシに残った水が伝ってきてコップやスタンドの底に溜まってしまうので、カビ等の発生に注意が必要です。

コップ用水切りトレー

【2】直置きしない

では伏せて置いておけばいいかというと、やはり水気が残るとヌルつきの原因になり、使うときに直接口をつけるものなので、次に使う時の衛生面も気になりますよね。
どうしても逆さにして直置きしたい場合は、珪藻土コースター(最近は100均でも売られていますね)の上に置くという手や、飲み口が接地しないような構造のコップを選ぶなどの手もあります。
珪藻土コースター
ただ、家族それぞれで使い分けしたい場合にはわりと場所も取るため、専用ラックのようなものがあった方がよいでしょう。
ラック自体のお手入れが大変なものも避けたいところ。そう考えると、フックなど掛けるタイプの方がそういったストレスは少なそうです。

【3】棚にしまわない

洗面所などの収納棚にしまう場合、扉を閉めてしまえば見た目はすっきりするかもしれませんが、あまりおすすめ出来ません。
密閉に近い狭い空間では、湿気がこもりやすく、カビ等が発生しやすくなります。どうしてもしまう場合は、しっかりと水気を切っておき、ときどき扉を開けて換気するようにしましょう。

フックタイプのうがいコップ収納

さいごに

カビや雑菌は湿度の高いところに繁殖するため、使用後の歯磨きコップと歯ブラシは、できる限り水気を取り、乾燥させることが大事です。
また、空気中の雑菌は温度や湿度等の条件がそろえば繁殖するので、洗面所や浴室などの換気をよくして湿気を減らすことも大切です。

歯磨きコップのカビや汚れを防ぐためには、使った後には毎回流水できちんと洗い、底に水が残らないようにしっかり乾燥させましょう。
流水で洗うだけでなく、こまめにマウスウォッシュやうがい薬などの消毒液などで洗うと、カビ等の発生の予防になりますよ。

お手入れした後は、水切れのいい場所に置き、清潔に保つようにしましょうね。

歯磨きセット

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【参考資料】
※古畑勝則:防菌防黴,24, 723 (1996).
生物工学会誌第94巻 第4号 日本生物工学会
上記の資料のほか、記事内容については歯科衛生士や小児歯科の先生方への取材協力により執筆しておりますが、あくまで見解の一つであり業界の総意ではない意見も含まれることと、2018年の取材当時の情報となりますのでご了承ください。