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包丁選びに迷ったら!調理師が教えるおすすめと使い方の基本

1人暮らしを始めたり、結婚したり、生活パターンが変わって、「これからは今までできなかった料理に取り組んでいこう!」と考えている方はいませんか?

しかしせっかく意気込んで始めても、失敗が続くとやる気がなくなってしまうことがありますよね。

そこでこの記事では、「お料理初心者」の方に向けて、料理が嫌にならないための包丁使いのコツをご紹介しますね。

最初に基本の包丁の選び方・使い方などをおさらいしておくと、失敗が少なくなりますよ。

初心者におすすめの包丁とは

これから包丁を揃えるという場合、「初心者に向いている包丁」とはどんなものでしょうか。
一度買うとそうそう何度も買い替えるものではありませんから、なるべく使いやすいものを選びたいですね。

三徳包丁があれば、ひとまず安心

包丁にはたくさんの種類・素材がありますが、オールマイティに使える家庭用包丁として「三徳(さんとく)包丁」があります。
これは「文化包丁」とか「万能包丁」とも呼ばれるもので、野菜も肉や魚も切ることができるように考えられた形の包丁です。
三徳包丁
三徳包丁についてはこちらにも説明があります。
三徳包丁

1本だけ用意するなら、三徳包丁で決まりです。
私のおすすめは刃渡り21cmの三徳包丁。16cmや18cmの三徳包丁もありますが、それより少し長めで21cmくらいあったほうが、大きなキャベツや固まりの肉などを切り分けるときにとても楽ですよ。

2本目を用意するなら「牛刀」がおすすめ

また2本目に「牛刀」もあると便利な包丁です。

牛刀は肉を切りやすいすらっとした形をしていて、刃先はとがっています。
大きなかたまり肉や魚も切りやすいですし、刃先を使って肉の筋を切ったり、薄く削ぎ切りをしたりするのにも向いています。

牛刀包丁

私が以前厨房で働いていたときは、刃渡り24cmの牛刀がとても気に入っていました。
牛刀は刃の幅がやや狭いので女性の小さい手でも持ちやすく、肉だけでなく野菜の皮むきや下ごしらえにも便利でした。
ただ、家庭の台所ではもう少し短い方が取り回しがしやすいと思います。

上手な使い分けの方法

もし家庭でも2本の包丁をそろえる予定があるなら、1本は牛刀にすると使い分けができます。
刃渡り18cmの三徳包丁を野菜や果物、その他一般食材用にし、刃渡り21cmの牛刀を肉と魚用にと使い分けすると便利です。

包丁比較

おすすめの包丁素材は?

刃の素材はステンレスがおすすめです。ステンレスはさびにくいのでお手入れがしやすく、刃こぼれ(刃が欠けること)もしにくいからです。

柄の部分と刃が一体成型になっているタイプは、つなぎ目がないので洗いやすく衛生管理がしやすいです。

ただ、柄の部分もステンレスなのは冷たく硬くて握りにくいと感じる方もいますので、個人の好みで選んでくださいね。

包丁の基本的な持ち方

さて、包丁の用意ができたら、材料に合わせた基本の持ち方を覚えましょう。
刃がぶれないようにしっかり握ります。
包丁の持ち方
親指を刃の付け根に添えるようにすると、包丁がぐらぐらせず力も入りやすくなります。
固いものや力がいるものを含め、大体のものはこの持ち方で大丈夫です。
包丁の持ち方基本
このように人差し指を伸ばして握る方法もあります。
これは「やや細かい切り方」をするときに、刃をコントロールしやすい握り方です。
ただ、この持ち方ばかりしていると、人差し指が痛くなってしまうことがあります。
食材に合わせて持ち方を意識的に変えるようにするといいですね。

基本の切り方-「押し切り」「引き切り」

三徳包丁や牛刀は、通常は前に押すようにしてスライドさせながら切ります(押し切り)。
右手で包丁を持つなら、食材の右側から切っていくのが基本です。

刃を寝かせて肉や魚を薄く削ぎ切りする場合は、食材の左側から切り、刃は手前に引くようにしたほうが上手く切れます(引き切り)。

初心者に切りやすい半月切りといちょう切り

さて、包丁に慣れていないときでも安心の切り方があります。
野菜を切ったらゴロゴロ転がっていってしまったり、安定しなくて手が滑ってしまうのは困りますよね。

そんなとき、野菜を安定して切ることができる切り方は「半月切り」です。
大根やニンジン、ジャガイモなど、丸みをおびた形の野菜に向いています。
半月切り
まず野菜を縦半分にして、平らな面を下にしてまな板に置くと安定します。
横向きにし、右側から切っていくのが「半月切り」です。半円状で半月のような形です。

次に、もう少し小さくしたいときは、「いちょう切り」にします。
「いちょう切り」は半月切りの応用になります。
いちょう切り
野菜を縦半分にしたら、さらに縦半分にします。
これを端から切っていくと、三角の形になります。イチョウの葉っぱに似ていますね。

いちょう切りの応用
「いちょう切り」は大きさや厚みを変えて、いろいろな料理に使えますよ。

  • 大きめ・厚めに切ったらシチューなど煮込み料理に。
  • 薄く切ってサラダに。
  • 細かく切ってチャーハンに。

初心者料理の失敗をなくす「隠し包丁」とは

料理を始めたばかりのときの失敗のひとつが、「真ん中まで火が通っていなかった、中心部が固くて食べにくい」ことです。
それを防ぐには、あらかじめ火の通りにくい部分に切込みを入れるひと手間が大切。

切込みを模様のように目立たせる方法もありますが、さりげなく目立たない切込みは見た目も上品に仕上がります。
これを「隠し包丁」と言います。

大根の隠し包丁の入れ方

隠し包丁
たとえば、おでんやふろふき大根に使う分厚く切った大根も、このように中心部に浅く切込みを入れると火が通りやすくなります。
大根をしっかり持ち、包丁の根元の角(あごと言います)の部分を使って切れ目を入れます。
大根の隠し包丁
中央にバツ印の切込みが見えるでしょうか?

私はこのような小さめの切込みを両側にすることが多いですが、もっと大きいバツになるように切り込むやり方もあります。
その場合は、まな板の上に平らに置いて切込みを入れ、盛りつけの際に下になる片側だけにすると良いでしょう。

こんにゃくの隠し包丁の入れ方

もう一つの失敗が、「見た目はおいしそうなのに中まで味が染みていない」ケースです。
これも「隠し包丁」を入れることで解決!

下ごしらえの段階で小さい切込みを入れて断面を増やし、表面を粗くすることでしっかり食材に味が染みます。
こんにゃく下ごしらえ
例としてこんにゃくに隠し包丁を入れてみましょう。
こんな風に端から軽く筋をつけます。ごく浅く、2mmか3mmくらいになるようにします。
こんにゃくの隠し包丁
格子状に切り込みます。反対側も同じようにします。
こんにゃく隠し包丁2
隠し包丁を入れた後で、料理に合わせた形に切ります。

ほかにも隠し包丁は食材を食べた時に噛み切りやすくするためや、縮むのを防ぐためなどにも使われます。
例:イカの切り身や肉の下ごしらえなど

スライサーで切ったほうが美味しいものは?

「薄く切れなくて食感が悪い」とか、「全部つながって切れてしまった」というのもよくある失敗です。
実は、包丁で頑張って切らなくても、スライサーを使った方が美味しくできる場合があります。
スライサーで調理
スライサーでは同じ厚みにスライスできるので、食感を揃えることができます。
例:キャベツの千切りや、大根やかぶで作る「千枚漬け」など

またスライサーで切ると包丁の場合より断面が荒くなり、味がなじみやすいというメリットもあります。
例:マリネ用の玉ねぎスライスや和え物にするキュウリなど

スライサーのサイズの選び方

スライサーは幅12cm前後のものが一般的ですが、よく使う食材に合わせて大きいものや小さいものを選んでもいいですね。
キャベツの千切り
大きいスライサーは、ボウルに載せて平らな状態でスライスできるので安定感があります。
キャベツや大根など大きめの食材をよく切る人におすすめ。

キュウリのスライス
小さいスライサーは、キュウリやネギなど細いものを少しだけ切るのに便利です。
小さいと収納もしやすいのでいいですね。
大きい食材もスライサーの幅に合わせて切って使えばスライスできます。

スライサーで薄切りにしたものを千切りにする方法

「千切り用」や「飾り切り用」のスライサーもありますが、たくさんの種類のスライサーを揃えなくてもまずは薄切り用だけがあれば大丈夫です。
スライサーで千切り
このようにスライサーで薄切りにしたものを揃えて並べ、端から細切りにすれば、ニンジンの千切りも簡単。
「キャロットラペ」や「にんじんしりしり」、「ジャガイモガレット」など作るときにおすすめの切り方です。

スライサーはガード付きが安心

スライサーで野菜を切るときは指を一緒に切ってしまわないか心配になりますが、野菜を固定するガードがついているスライサーがおすすめ。
おすすめのスライサー
ガードを使って切ると、かなりぎりぎりまでスライスができます。
それでも残った切れ端は集めて「具沢山味噌汁」に使えば無駄がありませんね。

スライサーのお手入れ(洗い方)

スライサーのお手入れ
スライサーの刃や溝は、スポンジでは洗いにくいもの。
タワシを使うと、細かいところまできれいに洗うことができます。
すき間に挟まった野菜くずも、しっかり取り除きましょう。

包丁でうまく切れないと思ったら・・・

包丁は使っているうちに、だんだん切れなくなってきます。
切れ味が落ちた包丁は切りにくいので怪我の危険も増えますし、切り口がきれいにできないので、料理の見た目や食感にも影響してしまいます。

そこで、簡易研ぎ器(シャープナー)で良いのでこまめに刃を研ぐようにしてください。
包丁シャープナー
これは溝に刃を入れて数回スライドさせるだけで切れ味が戻る、簡易研ぎ器(シャープナー)です。
シャープナーは中にセラミックや金属製の砥石がセットされています。
本格的な研ぎ石での調整にはもちろんかないませんが、特別なテクニックがいらずに切れ味を取り戻せるので便利ですね。

包丁を研ぐ
三徳包丁は刃先が上に上がっているので、まっすぐ入れただけではうまく研げません。
刃先の部分は重ねて研ぐなどして、包丁全体が切れるようにしましょう。

おわりに

初心者でも美味しい料理を作るために、基本の包丁の使い方をいくつかご紹介しました。
実際にやってみてわかることもたくさんあります。
まずは基本に忠実にどんどん料理しているうちに、自分にとってやりやすいコツがつかめてくるはず。

いろいろな切り方や下ごしらえなどの「作る過程」もぜひ楽しんでくださいね!